有機化学 反応例

問 有機化合物の反応に関する以下の問 a) , b) に答えよ。

a) 1-メチルシクロヘキサンに対して下に示す (1) ~ (5) の反応を行った。それぞれの反応における生成物の構造を、その立体化学が分かるように示せ。

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b) ベンゼンに塩化アルミニウムと塩化メチルを作用させると2種の生成物 A, B が得られたが、塩化アセチル({\rm CH}_3{\rm COCl})を用いた場合には化合物 C のみが生成した。これらの反応の反応機構を説明するととともに、このような相違が生じた理由を述べよ。

 

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a) 

(1) は水素の付加で、このときシス付加である。

(2) はハイドロボレーション酸化でアルコールが生成される。このときシス付加、逆マルコフニコフ付加である。

(3) はハロゲンの付加で、このときトランス付加である。

(4) はハロヒドリンの生成で、このときトランス付加、マルコフニコフ付加である。

(5) は水の付加で、このときトランス付加、マルコフニコフ付加である。

 

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b) 

 

 

 

問 ハロゲン化アルキルの求核置換反応に関する以下の問いに答えよ。

a)  から  に最も適した語句を埋めよ。

ハロゲン化アルキルの求核置換反応は、次の2種類に分類できる。すなわち、(i) 律速段階でまずハロゲン化物イオンの脱離が起こる  反応と、 (ii) 求核剤との結合性生徒ハロゲン化物イオンの脱離が同時に起こる  反応である。 反応では中間に  が生成し、 反応では中間体は生成せず、ハロゲンの置換した炭素原子の立体化学は  する。 反応では、しばしば  反応が競争的に起こり、 を与える。通常、  炭素上では  反応が起こりやすく、 炭素上では  反応が起こりやすい。

 

b) (R)-2-ブロモブタン に ナトリウムエトキシド を作用させたところ{\rm S}_{\rm N}2反応が進行した。その生成物の構造を絶対立体配置がわかるように示せ。

 

c) Williamson のエーテル合成法により t-ブチルエチルエーテル を合成したい。ナトリウム t-ブトキシド と ブロモエタン から合成する方法と、ナトリウムエトキシド と 2-ブロモ-2-メチルプロパン から合成する方法のどちらが適切か、理由とともに述べよ。

 

d) アセト酢酸エチルと 1-ブロモプロパン から 2-ヘキサノン を合成する方法を具体的に示し、簡潔に説明せよ。多段階の反応でよい。

 

 

a) 順に、 ア:{\rm S}_{\rm N}1、イ:{\rm S}_{\rm N}2、ウ:カルボカチオン、エ:(ワルデン)反転、オ:脱離、カ:アルケン、キ:第三級、ク:第一級

 

b) 

c)

d)